
現在、絶賛仕事追い込まれ中。
おそらく、ここ数年失態をくりかえしてきたなかでも最大級の山場ではないかと思える大ピンチに直面しております。
長らくの間、いろいろな意味において苦闘してきた踏み出し足の仕事がようやく追い込みに入ったというか、雇い主の偉い人に「もう、やめちゃうよ!」と三行半をつきつけられた状況になって、「えー、今頃焦られても……。普通だったら、こっちからシャッポ投げる可能性だってあり得る難解な案件を、今までせっかく粘り強く頑張ってきた結果の長丁場なんだけど。現状でまとめに入ったら中途半端なものしか作れないよ。そもそも、期限を区切ってやるような仕事とは違うのではないかなぁ?」という本音はあるものの、これは作り手としては最悪の心情かもしれないが、「そんなんでいいのなら、もう終わらせよう。さすがに全面撤退されたらみんなが不幸になる」と、思い直して作業をしている。
そりゃあ、いざまとめ作業に入ったら、それ以前から続いている難解な権利関係の調整さえうまく収まれば、流れ作業で本にはなるだろう。それに、そんな作り方でも、素材としてはかなり貴重事項がつまっているものになるので、大して煮込まれていなくてもある特定の方面からは好評を得られる自信はある。だから、「世に出すことで初めて意味が出る」と考えれば、これでいいのかもしれないな……。
そう自分に言い聞かせて、最後の詰めとなる調整交渉と原稿調整に励んでいる。
しかしながら、今のオイラにはもうひとつ大きな山があるのだ。
それは、本来なGW頃には発刊していなくてはいけなかったものの書けず、一度は8月発売に伸ばしてもらった2冊の書籍のほうである。踏み出し足の書籍編集が風雲急を告げるなか、困ったことにこちらも急遽前倒しになって7月発売になり、原稿がまだ全然できていない。1冊なんてまだ手もつけていないのだ。。。
これはなぁ。他の単発の雑誌やWEB関係の原稿の依頼は、新規に来たものは断りまくって時間を作るつもりだったんだけど、古い付き合いからの依頼だけは断る勇気が出ず引き受けてしまったのが失敗だった。
わかっちゃいるけど、雑誌の記事だろうが書籍の原稿だろうが、オイラは直列回路の仕事の仕方しかできない。だから、ひとつのことをやっている間は残り全ての仕事が止まってしまう。しかも、原稿料の高い仕事だろうが安い仕事だろうが、常に全身全霊全力の姿勢で挑んでしまう。ペース配分ができないのだ。
そのうえやたらと情報収集をしたり、書くまでにウダウダしたりするので、オイラの場合、他愛のない雑誌やWEBの原稿でもトータルで平均1週間がかりになる。それを、月に1本受けただけで約1/4が消える計算だ。
それに、週1納品のWEBのインタビュー原稿だって1本書くのにほぼ丸1日かかるから月4日。その間のインターバルで消費される通常生活の時間を加味して全体から差し引くと、先述の書籍編集の仕事と執筆の仕事ができる時間は1カ月のなかで約半月程度しかないのだ。さらにそれを単純に2で割ったら、それぞれ1カ月のうち1週間くらいしか日数がないことになってしまう。
そう考えたら、「なぜ、単発仕事を一切合切断らないのか!?」となるんだが……。どうしても断れなかった。
そうなると、編集者とライターとか、版元と委託編集者の関係というのは、元々金貸しと債務者の関係と同じだから、金を貸す時はニコニコ顔だったり「ぜひ、ぜひ、お願いします!」と下手から頼むのに、取り立てるときには……だし、こっちはこっちで「借りたお金は必ず返します」みたいな、まったく根拠のない調子のいい返事をしたりする。お互い必死だからね。
しかし、残念なのはそうなる前の段階のこちらの事情とか、与えられた困難をうまく乗り切ったプロセスなんかなんの評価にはならず、考慮もされず、「結果として、今、なにも手元にない状況をどうするの? アンタの都合なんてどうでもいいから原稿よこせ」となるパターンが実に多い。
だから、最初に「う〜ん」とひとリアクションしているんだけどね。快諾しないときは、大抵「正直、キツイな。いや、無理だな」ということなんだけど。それを、精一杯の意思表示しているつもりなんだけど。でも、オレはどうしても「それは無理です」と言えない。言えずに引き受けてしまう。
さらに、その間にその仕事に関わることで、たいてい追加のお願いとか、「それって、本当にオレがすべき仕事かな? そちらがやるべきことじゃないの?」と思うようなものも振られる。それらも疑問に思いながらも、きっと向こうさんも困っているのだろうなと思うと、自分だってもう一杯一杯なのに「じゃあ、それもやりましょう」とか、心にもない安請け合いをしてしまうくるくるぱーぶり! 結局、あとで途方に暮れることになり、下手すると頼まれた人から「できないなら、できないと言ってください。抱え込まないで下さい」とか逆に文句を言われるという……。だったら、最初のオレのリアクションから察してほしいし、その後もオレが本筋の仕事に専念できるような体勢を作れるようサポートしてくればいいのに、とひとり嘆き、しかし、それも面と向かっては言えないから胸にしまいこんで、「すいません。本当、すいません」と頭を下げて、遅れながらもやるしかない……ということになる。
今はまさにその状態だ。しかもそれが2つ(正確には単発の仕事が2つあるから4つ)あるという。。。。
しかし、愚痴ってばかりでは、頭が本当に発狂しておかしくなってしまいそうなので、ここは気持ちだけでも前向きに、そして、結局のところ目の前にあるものを多少時間がかかったとしてもひとつひとつこなしていくしかない。
先方に罪はない。むしろ、手の遅いオレに我慢して使ってくれている。我慢できない人は離れていくのが常だから、つき合いが長い人は本当にいい人ばかりじゃないか。つまり、責任はすべてオレにある。オレが頑張って早く上げればみんなハッピーになるんだよ!
とね。そう思わないと、本当、人間が崩壊してしまうからね。
そういえばさっき明け方にうんこしていて、ふとひらめいたことがある。
オイラは、ここ数年、ひとつ大きな間違いをおかしていたことに気づいたのだ。
それは、最近、同業者の人とかがやたらと「リスクヘッジ」のことばかり心配していて、要するにフリーランスはほうぼうに仕事のツテを作って常に多方面で仕事を受けていたほうがいいという考え方を良しとする人が多いことと関連するのだけど、オイラもそれを「なるほど、なるほど」と鵜呑みにして、ここ数年はにたようなことをしようとしていたのだけど、結局のところ年間を通したトータル的な成果はずっと横ばいのまま。
要するにあまり手応えを感じていないのが現状であった。
それはなぜかと考えると、オイラは先ほども述べたように直列回路の人間なので、一度に同時進行で器用に仕事をこなすなんて出来なんだよ。だから、リスクを分散するなんて考えはまったく向いていないといういうことに気づいたのだ。どうせ、ひとつの仕事をやっているときは、他の仕事についてはまったく動きがとれないから、迷惑かけるだけだし、動きが取れなければ断ったり、音信不通になったりで結局、距離は離れていく。だから、結局、今、オレと仕事のつき合いを保ってくれている人は、そういうなかで淘汰されずに、いいかえると、オレが遅くても長いこと付き合ってくれている人だけが周りにいる感じなのよ。
つまりね。リスクを分散して多方面のお得意さんを作るという考え方は、仕事をマルチにこなして、動きが良く、さらに原稿をバシバシと上げることができる生産性の高い超優秀な人だけに通じる話にすぎない。
そこに気づいたのだ。
一方、報酬が多かろうと少なかろうと、一切区別せずに一つの仕事に夢中になって没頭してしまい、飯食っているときでも、酒飲んでいるときでも、その仕事が途中だと、そのことばかり頭に浮かんでしまい、離れられないような切り替えのできないタイプで、そのうえ仕事も極めて遅いオイラのようなぷっぷくぷーはどうすればいいのか? 結局のところ、一つの仕事を一生懸命やって完遂することを優先し、終わったら暫くは次の仕事の話が来るまで情報収集、つまりインプットの時間にあて、その材料を使って自己発信したものをなんとかお金につなげるようなシステムを気づいて当座を凌ぐというのが、一番、良いと思う。
というのも、オイラはもうひとつのタイプ分けでいうところの「がに股」タイプだから。
がに股タイプってなにかって? それは、常に他人のことや他人の目線、外の情報ばかりを気にする人間のことだ。こういう人は、集中したいときに思うように集中できない。だから、普段の姿勢としてあまり目線を広くしようと意識しないほうがいいのよ。なぜなら、放っておいても勝手につま先は外へ外へと向いてしまうから。
逆に、「内股」タイプの人は、放っておいても内向きに自分のことのみを考え、外の情報を自然と遮断できる。こういう人は、むしろ、外に向ける意識を強く持ったほうがいい。
考えてみたら、オレの周りでリスクヘッジを主張している人たちは、あくまでオレの見立てに過ぎないけど、みんな「内股」タイプの人ばかりなんだよね。がに股のオレが真似したってうまくいきっこないのよ。そもそも、そういう人たちの言っていることを、自分のタイプと照らし合わせて吟味することなく丸々鵜呑みにすること自体、「がに股」タイプであることをよく表しているわけで。。。
だから、今、オイラは原稿を書くのに、なんの音楽もかけていない無音のヘッドホンを耳栓代わりにあて、部屋の電気をすべて消して、照度を最小に落としたモニターに向かって作業をしている。こうでもしないと、周囲の情報に気が散って集中できないから。これも、「がに股」の証だよね。内股の人は、いつでも自分の世界に入り込むことができるから、逆に音楽をかけたり周囲から情報を取り込めるようなアンテナを張った状態にしていおいたほうがバランスがとれるのだと思う。
とはいえ、この特性も人間だから波はある。がに股のオイラでも、そのなかで「やや内股」寄りのときもあるだろう。だから、今、自分のつま先がどの方向に向いているかを正確に把握するのが大事だと思う。その方向で今後は対処していきたいね。
とにかく、今、全てが追い込まれているので、ここから6月一杯くらいまでの期間は、非常事態宣言。
少しでも集中できる時間を作り、少しでもそれが長く持つようしっかり休息や気晴らしもしながらも、最大の効果を挙げてなんとか最大の危機を乗り切って行きたい。
てなことで、、、、きっと暫くこのブログを更新することはないと思うけど、超数少ない奇特な読者の人におかれましては、祈っていて下さい。オイラがいまの苦境をなんとか乗り切れることを。
もちろん、励ましのメッセージは大歓迎! ここでもtwitterでもお待ちしていますよー。
でも、お願いだから、オイラを小馬鹿にして嘲笑するようなのはやめてね。最近、結構立ち直れないんだ。実際、今もかなりダウナーなので。。。。くれるなら嘘でも励みになるようなものくだちい(^_^;)
それでは、がんばりませう!
↓今回の話について「まあ、ご苦労さん」と思ったら、義理的に押してやってくだちい。

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